サプリメント規制強化を要請

[米フロリダ州オーランド]米国臨床薬理学治療学会 (ASCPT)のサプリメントに関する地区別研究班の議長バンダービルト大学(テネシー州ナッシュビル)のJason Morrow教授らは「米国民の35%異常が何らかのサプリメントを摂取しており、サプリメントへの規制を格段に強化する必要がある」とASCPTの年次集会で報告した。ASCPTは行政によるサプリメントの規制強化を求める意見書をClinical Pharmacology and Therapeutics(2005;77:113-122)に発表

Morrow教授は「製造業者の主張とは異なり、サプリメントの有効成分量には大きなばらつきがあることが多くの研究で明らかにされている」と指摘している。

FDAに副作用報告の権限と財源を〜

サプリメントの規制強化と安全性の向上に向け、以下の5つの勧告をまとめた。

・サプリメントによる副作用の発見・報告、更に消費者への副作用伝達をおこなう権限をFDAに与える

・既に専売薬で実施されているように、サプリメントにもFDAの製造管理・品質管理規約の受容・実施。製造工場と従業員にも衛生基準の実施を求めている

・米連邦保険福祉省(HHS)が既にだしているサプリメントの適正表示の実施。表示が消費者に読まれ理解されるようにする。消費者は疑問が有れば電話で回答を得られるよう電話番号を記載する。

・消費者、医療従事者の双方がサプリメントの品質と効果について学べる機会を更に多く設ける。

・サプリメントの有効性と副作用の両面を明らかにする研究の拡充

そうした研究を促進すれば、消費者はサプリメントについて充分な情報を与えられ、それに基づく決定が確実に行われるようになる。

~Medical Tribune Vol.38,No.15(抜粋)~