トレーニング Document

Treaning method

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　　　　　　　トレーニングの考え方　　　　　　　
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1　コンディショニングを忘れないで

トレーニングに入る前の基本は、犬たちの体調を良い状態に保っていること。
太りすぎ、やせすぎ、個体差はありますが、骨盤の間にある脊椎の上に２～３・程度の肉（皮下脂肪）がのっている位が目安です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
2　やさしいことから始めよう

犬たちが楽にクリアできるトレーニングから始めるのが基本です。犬たちのトレーニングに対するイメージをいつも楽しいものにしてゆくことが、何より大切で特にこの時期はスピードを求めるトレーニングは必要ではなく、基礎的な筋力や関節の強化をじっくり行うことが大切です。犬たちは楽しいトレーニングの中で少しずつフィジカル面の自信をつけて、より積極的に動くようになります。ナチュラルに走ることを求めて、とてもテンションが高く、とても騒がしいトレーニングになります。ハンドラーの冷静な態度が要求されます。この時期、犬たちにあおられてしまい、冷静に行動できないようでは、犬たちからの信頼を獲得できません。ハンドラーに対する信頼の薄いチームの犬たちは、決して全力を出しきりません。忘れないで下さい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
3　パワートレーニング

ケガをしにくい身体作り。あくまでも筋力をつけていくトレーニングに徹する事です。犬たちがトレーニングに対して、楽しいイメージを持続しているチームであることが大切で、そのようなチームは筋肉トレーニングで、この後必要とされるスピードを生み出すパワーを獲得します。つまり、アティテュード（意欲）のあるチームを作る為に初期トレーニングから、このパワートレーニング迄の７～８週間を費やしているようなものです。このアティテュードは、単にスタート前の意欲のことではありません。トレーニングの中で犬たちにとって最も疲労感の高まる時にこそ発揮される意欲のことを良いアティテュードと言えるのです。スピードは必要ありません。それよりも走る筋力、ケガをしない為の筋力、そして繰り返されるトレーニングの中でアジリティー能力（ここではケガをする危険を避ける俊敏性と理解して下さい。）を高めるのが、この時期のトレーニング目的と考えてください。又、スタミナのことも心配ありません。この時期を上手く乗り切れば犬たちは、気温の経過と共に驚くほどスタミナをつけます。

4　スピード＆エンデュランス

このステージは、目標に向けてのトレーニングの成果を発揮するものです。充分にコンディショニングされ、肉体的にシェイプアップされた犬たちはアジリティ能力を高め、今こそスピードに耐えられる能力を身につけました。この時期にチームのベーシックペースが決まります。ベーシックぺースとは、チームが走るときの平均的なスピードのことで、これもトレーニングのスピードではなく、この時期、肉体的なエンデュランス（耐久力）は飛躍的に高まるはずです。しかし、エンデュランスはトレーニングの良し悪しで大きく差が出てきます。正しいアティテュードを作り上げたチームは本当に飛躍的にチームのポテンシャルを高めるはずです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
5　トレーニング

バランスのとれた良い食餌管理がコンディショニングの基本です。（詳しくは、食餌管理の項でお話しします。）コンディショニングのうまくいったチームは、トレーニングを開始する段階で既に３００分のトレーニングを済ませたのと同じと言われるほどです。

「１０月初旬～１１月上旬」

この時期はトレーニングに最適です。スピードを求めずに、この時期は本当に無理をせず、（スピードを出さずに）ゆっくりと犬に走るを教えることが大切です。はじめののトレーニングでは、犬たちの筋肉痛が起きていないかを良くチェックすることが大切です。チェックの方法は、前肢と後肢の間隔を見ることです。筋肉痛のある犬は、間隔が通常より狭くなっているので、すぐ分かるはずです。この状態でトレーニングを重ねても、良いことは何もありません。もう一つ、パットや爪のチェックも忘れないで下さい。
トレーニング例／◯×××◯×××◯×××◯◯×◯×××◯×◯×××◯◯××
＊　◯･･･トレーニング日　×･･･休息日

「１１月上旬～１１月下旬」

この時期徐々に距離を伸ばしてきて、トレーニングの回数は、常に犬の状態を観察して、多すぎないように。過剰な練習では犬たちは決して１００％の力を発揮しません。そして、殆どの犬たちはこの時期になると１００％ではなく、９５％で走りたがるし、ハンドラーが気づかずにいると、いずれ６０～７０％で済ましてしまいます。犬たちに騙されてはいけません。ハンドラーは犬たちに１００％と９５％違いをちゃんと見抜けることを伝えることが大切です。時間にして１５～２０分間程度のランがこの時期必要ですが、この短い時間の中で充分にこちらの能力を犬に伝えることが出来たら、そのチームはきっと良いレースシーズンを迎えることでしょう。

KEY WORD
※アティテュード･･･苦しい時にこそ頑張ろうとする意欲
※筋力･･･アティテュードを表現するための筋力であり、同時に捻挫・脱臼等を防ぐ筋力。
※アジリティー･･･ラフなトレイル上でアクシデントから身を守る俊敏性。
トレーニング例／◯×◯××◯◯×××◯◯×××◯◯×××◯◯××◯◯××××◯◯××

「１１月下旬～１２月下旬」

トレーニングやレース後、犬は３日間はその筋力を維持します。３日以上の連続トレーニングは、筋力、スタミナを上昇させ、連続してトレーニングをすると疲労からそのアティテュードを失います。　＊筋力＊スタミナ＊肉体疲労＊精神疲労　　これらのバランスを考えて、トレーニングスケジュールを組み立ててください。トレーニング例／◯××◯◯××◯×◯◯××××××◯×××◯◯××◯◯◯×××
３日間連続でトレーニングする場合は最終日を軽くするのが、ポイントです。（アティテュードを失くさない為に。）
この時期に注意しなければいけないのは、トレーニングによる過労です。過労の兆候が見えたときには、思い切って１週間程度の休みを取る勇気が必要です。

「１２月下旬～」

この時期は、レースシーズンなのでレースの間の火曜又は、水曜日にトレーニングをするのが良いでしょう。ハンドラーの作戦によって、トレーニングの内容は異なります。一番楽しく、トレーニングをしながら思わず笑みが出てしまうのがこの時期のトレーニングです。

トレーニング例／◯××◯◯××◯×◯◯×××◯◯◯××××◯◯××◯◯◯×××

【コマンドについて】
　

犬は勝手に走っているわけではありません。服従トレーニングで愛犬と正確なコミュニケーションを確立しましょう。そこで必要になるのがコマンドです。
ここでは、よく使うコマンドを例として挙げておきます。若い犬たちにコマンドを教えるときは、出来るだけ分かりやすくコマンドを必要とする場面を設定し、繰り返し成功させて犬に自信を与えるのがコツです。
よく使うコマンドの例（英語は語感が柔らかく、スピードがあるので有効）

以下は、そり犬のコマンド例

コマンド　　意味
オッケースタート（してもいいよ）
ゲラップ（もっと）がんばって
ゴーホーム早く戻ろう（ラストスパート）
ゴーアヘッド（真っ直ぐ前方へ走って）
ホップ（バーを飛び越えろ）
グッドジョブ（その調子だよ）
ジーまたはヒール（右に曲がって）
ハーまたはディス（左に曲がって）
バック　（後ろへ下がって、離れて）
イージー（ゆっくり落ち着いて）　
ケアフル（脚元に気をつけて）
ラインナップ（並んで）
ストップ（止まって）

我が家では、シュッツ規定のコマンドを使用しています。

【食　餌　管　理】

“とにかく、良いエサを食べさせてきちんと調整してあげることだよ。”
by Gareth Wright
１９５７年、ファーランデブーの優勝インタビューにて。
新聞記者に「どうしたらそんなに犬を速く走らせるとができるのですか。」と、聞かれて。

あなたが優れたスポーツドッグを望むならミートダイエットを薦めます。
ミートダイエットとは、元々肉食である犬に肉を中心とした食餌を与えることで、犬本来の能力を引き出す食餌管理方法です。特に、能力の限界を突き詰めるスポーツでは、栄養のバランスを科学的に食餌管理が必要となります。ここでは、スポーツドッグ用の食餌管理についてお話します。

ミートダイエットは、主に　・肉類　・ドッグフード　・卵　・レバー　・水　
・その他を主体にします。肉食の犬は人と違い、脂質のの吸収率が高く、次にタンパク質、そして炭水化物の順で吸収し、エネルギーとして利用します。つまり、犬は脂質とタンパク質肉類を主食とし、炭水化物を副食とする動物なのです。ですから、市販のドッグフードだけでは、炭水化物の割合が５０％を越える内容になり、消化器官に大きな負担をかけることになるだけでなく、脂質とタンパク質の絶対的な不足となるのです。（ペットの話ではありません。あくまでも、スポーツドッグの話です。）最近では穀類不使用と言うプレミアムフードも出回るようになった。
そこで、種類別に薦められる日本でのミートダイエットを例に挙げます。

・肉類

鳥肉：日本では鳥肉が最も安く手に入ります。そして、何か一種類の肉をと言われれば、これが一番良いとされています。多くの人が使用しています。我が家では生で与えたい理由から鳥類は与えていませんが・・
牛肉：牛肉は、輸入肉（オーストラリア）を犬用に使用、生で与えます。
羊肉：犬にとって非常に都合の良い（脂質に富む）肉ですが、若干高価です。我が家では、北海道産ラム肉を生で与えています。内蔵系のものも、一週間に一回の割合で生で与えます。
馬肉：犬にとっては大変バランスの良い肉です。ただし、馬肉だけでは痩せることが有るようです。北海道産の馬肉を生（冷凍のまま）で与えています。
豚肉：常識として豚肉は加熱処理しなければ使用できません。
鹿肉：犬のルーツとされている狼の主食（好物）、脂肪が少なく我が家の犬達の最も好物となっています。ニュージーランド産を与えています。生の方が栄養価は高いのですが寄生虫などの問題が生じるかもしれません、様子を見て与えてください。

我が家では、鹿・馬・ラム・ラム肋・ラム心臓をローテーションで毎日与えています。生肉には寄生虫などのリスクが有ります。与える際には充分な注が必要です。

・ドッグフード

最低でも炭水化物の割合が５０％を越えない製品を選んで下さい。筋肉が充分に育っていないと、炭水化物は体内に蓄積されてしまいます。適度な筋トレーニング＆有酸素運動で健全な筋肉を作ってあげると、寝ている間にも脂肪を燃焼する体になります。太りやすい体質・太りにくい体質の違いはこの辺に原因があるのかもしれません。筋肉がない体は太りやすい（俗に言う、緩い体質）体質。乾燥体質（硬い肉体）が最も理想的。

・　卵

よく知られているように卵は完全栄養食です。しかも、他の食品に比べ簡単に手に入り、安売りも多いので使い易い食品です。
固ゆでのゆで卵が、ベストです。ゆで卵は栄養価も落ちないし、よく言われるアレルギーの問題も解決できます。

・レバー

牛レバー・ラムレバーが良いでしょう。レバーは、犬が必要とするビタミンを多く含み、他の食品から吸収仕切れなかった栄養素もレバーを使用しておくことで補給できます。（一週間に一回の割合）

・　水分

水は最も大切で、しかも最も安価な食品と言えます。スポーツドッグ（中型犬）の場合、水分として最低でも１日に２リットルは必要だそうです。ここで言う水は、２０～３０℃に暖めて吸収しやすくして与え、通常、スープと呼んでいます。

レース（ゲーム）前の水分補給
私はレース当日は、レースがスタートする２時間半～３時間前に与えます。又、特に水分を欲しがる犬やレース当日の気温が通常より高い場合にはスタートの３０分前位にコップ１～２杯のスープを与えます。
（犬が水分を吸収するスピードは、研究が進んでいないので明らかではありませんが、経験的に１時間に３００～５００ccと考えられています。）

・その他　サプリメント

同じ大きさの犬であっても、与える量が大きく違うことはよくあります。
常に、犬の状態を確かめながら与えます。

(注１)上記の例は、ある１日の例で、気温や犬の状態、体質、犬の種類によって、大きく異なります。参考にする場合は、バランス（割合）をよく考えて、行ってください。

(注２)ドッグフードの炭水化物の配合率が、５０％を越えるような場合は、肉類がもっと必要になります。犬にとっての第１エネルギー源を補って下さい。

プロテイン・・・

体を作るもの。特定の食べ物を充分摂取しなければ体には悪い影響が出ます。最も必要な栄養素の一つは、プロテイン（タンパク質）です。体内で使われるプロテインの種類は２２種のアミノ酸から出来ています。８から１０の必須アミノ酸を消費することでその他の１２から１４のアミノ酸を体内で生成します。以前は、タンパク質を食するとアミノ酸に分解されると言われてきましたが、最新の研究ではいくつかのタンパク質はペプチドという、アミノ酸より細かい複合体に分解されることが解ってきました。これらのいくつかは大変驚かされる特性を持っています。タンパク質は筋肉・内臓・免疫・消化系統が適切に働くために必要なもので、更に皮膚・体毛・血液・骨が健康であるために必要な成分なのです。食事を考えるとき、タンパク質はあらゆるものから広範囲に摂取されるべきなのです。

このコンビネーションがアミノ酸による体の修復・再生、筋肉の生成を可能にします。蛋白質の摂取・有酸素運動＆筋トレーニングは筋肉の生成を助けることが証明されています。不十分なタンパク質摂取では、体からアミノ酸及び特定のペプチドの適量な範囲を奪うことも考えられます。

有酸素運動・・・

有酸素運動は心臓と循環器系の健康維持に特に価値があります。有酸素運動で最も一般的な運動はウォーキング（散歩）です。軽いトロットを加えても良いでしょうね。簡単な運動のように見えますが、循環を助け、気持ちを安定させ、鬱を減らし、痛みを最小限にして、不眠の解消にも繋がり、体全体の元気を取り戻します。

筋強化トレーニング・・・

筋強化トレーニングは引き締まった筋肉を作るのを助け、健康な体重を維持することを助けます。これは筋肉を付ければ一日に燃やすカロリーが増えるからです。体を休めていても、筋肉組織はカロリーを消費します。筋強化トレーニングをすることによって、加齢しても強い体を長く維持できますし、体調も良くなります。もし筋肉を５００グラム増やせたとしたら、脂肪に比べて一日あたり約４０キロカロリーも多くカロリーを消費できます。そり犬トレーニングはまさしく筋強化トレーニングですね（笑）。

注意事項

幼少時に過度の運動をかけすぎて強い筋肉を作ると、骨の成長を妨げて、小さい体つきになるかもしれません・・・この点を深く考慮しましょう！
アジリティなどのドッグスポーツは正常な骨格形成・正常な筋肉の成長をした上で始めましょう！

ＣＨＤに関する資料

ＯＦＡ公式サイト

日本動物遺伝病ネットワーク

（遺伝性疾患を無くそう）