ジャーマンシェパードの繁殖について

以前にも独り言で触れたことがあるが、繁殖について考えてみた。義務研修会に参加したのがきっかけで繁殖について書きたくなった。。。。。

シェパードの歴史は繁殖に始まって、訓練に終わるって感じかなぁ?
常にシェパード種の向上を目標として繁殖は考慮されるべきなのだ。その基本にのって繁殖が成立する。その基本とは、健康な肉体(骨格形成等)・真なる訓練性能・TSB評価から成り立つモノでなけれなならない。そして、その基本を全て持ち合わせた犬達が次世代に受け継がれるように改良をされてゆくべきだと考える。

ラインに健康状不適切という事例が一つでも有る犬は当然繁殖からは外される。
見た目・動き・大きさ・性格だけの判断材料で繁殖を考えるべきではない。
何故ならばそこには科学的根拠・論理的な判断材料が見あたらないからである。この様に考えると、交配できる犬として選ばれる犬は私の知る限り殆どと言っていいほど少数しか存在しないのだ(哀しい現実)。限られた極一部の犬にしか値しない、とても、難儀な作業だと思えるが、決して、この範囲を超えた繁殖は絶対になされるべき事ではない。極近親交配は絶対にされるべきではない。例えとして、たった一頭の優れたシェパを生み出す理由に、推察で行われる様な交配は言語道断だと考える。その様な試みは、全ての生まれた子犬の一生を全て請け負う責任を持って望むべきだろう。譲渡は論外だ。健全なる繁殖を試みている状況下でさえ、アクシデントに見舞われる可能性もあるのだ。リスクを限りなく軽減する方向で繁殖はなされるべきなのだ。近親交配に於けるリスクは、正常な繁殖で起こるリスクに比べると遙かに高いのだ。最も科学的・論理的に繁殖を考えなければならないと切に思う。

繁殖者はシェパード犬について全てを管理できるモノでなければならない。
訓練の熟練者であることは基本中の基本。
犬を管理する達人でなければならない。

ジャーマン・シェパードとはその様にして現代に至っている犬種だからだ。

責任が重くのしかかる作業だと言うことを充分ふまえなければ、繁殖はするべきではない。

繁殖に値する犬はシェパード本来の気質を問われる。『テンペラメント』を考えずして繁殖はない。『テンペラメント』は防衛作業を確立した犬だけが受けられるのだ。もの凄く遠い道のり〜、が、しかし本物のシェパードだけに与えられるモノなのです。本国SV界から、日本のブリードが非難を受けるのは高い目標を持って繁殖されてないから(推察)。

余談:『飼いやすいシェパだから、この犬の子を取ろう!生ませてやりたいから、繁殖しよう』そんな安易さが、不幸を招くのだろうなぁ?(ボソッ)シェパとしての基本性能を引き出さずして真なるシェパ飼いとは言えないよなぁ(ボソッ)・・・飼いやすいって、シェパはさぁ、普通に育てれば殆ど飼いやすいよ!普通じゃんかぁ(嘘か誠か?責任は持ちませぬ爆)。何にも考えないシェパを作ればいいのさぁ(注:神経質な部分が遺伝すると恐ろしいよ〜)。。。
日本の家庭犬シェパの現状って、オドオドして、自信なさげ〜何か虚しいよ!(きゃ〜反感買うかも大汗です)。。。さて、本物のシェパードとは、類い希なるエネルギーを持った、とても頭の良い犬種なのですよ(プロ訓練を間近に見る様になって目が肥えてきたかもしれない私)・・・・
ホントはシェパを知り尽くした人しか飼えない犬種かもしれないなぁ?シェパにトコトン惚れ込んでしまった私の愚痴・・・愛しい我が子に自信を付ける作業を目下修行中です〜ほんと・・本物のシェパ飼いになるには、エネルギーが要ります(爆)・・・一生かけても無理かもなぁ>私自身(自爆)

さて、この様にしてシェパの繁殖が高レベルを維持しようとすると、なかなかシェパを飼おうと思っても飼えない状況下になるのだろうかぁ?シェパの値段が跳ね上がるのだろうか?と、懸念を持ってしまうかもしれない・・・しかしながら、シェパの繁殖は常々種の最良の向上が目的と言うベースを崩してはならないと思うのである。
飼う側も、その認識を持ってシェパを入手、訓練性能の向上に努めて欲しい。
海外から入手しようと思わない限り、それ程高額な値段ではない。
選ぶ側の深い理解が今後のシェパの種の向上に繋がっていくのだと願わずにはいられない。

シェパを繁殖して、引取先を無作為(ネット販売等)にさばく・・・って、シェパに対しての敬意が損なわれる気がしてならないと思うのは私だけなのだろうか?シェパードは誰もが気軽に飼うことのできる犬種ではない、種の向上を常に要求されてきた犬種なのである。

訓練を入れなくても?訓練という堅苦しい試練に囚われなくても、シェパは家庭犬としてそこそこの犬に成長するが、それは飼い主の限りない愛情が有っての、結果なのだ。が、しかし、この程度で繁殖を考えないで欲しい。きっぱりと断言する。
「貴方の犬の子犬なら安く買えるかも?なので、譲ってください」って、悪魔の誘いには乗らないでください。「自分の犬の子犬を安く譲りますよ」とも、言わないでください。

ジャーマン・シェパードは他の犬種にはない特別な目的が古来から存在する(私感)。
その点を深く考慮して欲しいと願わずにいられない・・・・

気軽に飼って欲しくな〜い!・・・・レスキューはシェパだけでなく様々なところで発覚するが、気軽に飼えない様な法律が出来ない限り(法律も守られなければ一緒だけれど)、哀しい事件が相次いでいる。
「うちに限って?」と思うかもしれないが、安易な繁殖、安易な販売、安易な入手が原因なのだと思う。犬と暮らす=全てに責任を負う、飼えなくなって放置するって、絶対に許せない、誰かが助けてくれるって安易に放棄して欲しくない。
万が一育てられなかったときには繁殖者が責任を負う、
或いは飼い主が責任を負うって、どうかなぁ?
生まれた命の大切さ、重要性を深く考えなければなぁ?

繁殖を考えるとね、私には時間的余裕も責任も不足している。不可能だぁ(爆)
毎日の様に、私の頭のなかは自問自答・・・・
夫婦二人の人間で2頭が精一杯だ。一対一で常に運動・トレーニングが毎日必要だし、
もしも、繁殖で子犬をレスキューすることになったら、既存のメンバーにかける時間が少なくなってしまいます。愛犬のことを考えると手抜きが出来ない、不可能です。
『ボスは飼い主なのだからボスに合わせればいいのだぁ・・』って、人間の道理を犬に押し付けていては作業犬種シェパードに対してちょっと、虚しいかなぁ?
シェパードはもの凄く運動量の必要な犬種であることを充分理解して育てて欲しい。
因みに一日100キロ以上、走れるように改良されてきた犬種(軍用犬)だとか・・・
運動も曖昧・トレーニングも曖昧では、死んだ瞳のシェパになっちゃうかも?
大人しい?常に自信なさげなシェパって虚しいと思う(ボソッ)
手をかけて、性能を引き出して犬自身の自信を作って始めてシェパ道が開花するのです。
シェパードの素晴らしさは、一日たりとも手を抜かずにエネルギーを注ぎ込んでやらねば開花されないのです。シェパードを選んだのなら、シェパードとして育ててあげて欲しい、私は心から願って止みませぬ。シェパードをどうか甘ったれファッション(ホントは私も甘ったれを楽しんでいますが・・・ゲッ)にしないで下さい(爆)>独り言

注釈:『生体販売(例え無料であっても)を目的とした繁殖は正しい繁殖とは言えない』ヨーロッパではその様な定義がされているらしい。


TSB評価とはG・シェパードとしての本質を問うものです!
TSB評価の無いシェパードはシェパードに有らず。
シェパードを入手される時にはこの評価を参考にされると良いでしょう!
余談ですが、日本でも2008年頃にはショウに出す際にもシュッツ資格が必要になるらしいです(試験的には2007年から)。
本国SV公認のジャッジによる公開試験制度がスタートしそうです(推察)。
これは今後のシェパードの繁殖に良い影響を与えることになるでしょうね。
繁殖に関わる管理者(繁殖者・訓練士)は本場の訓練を知らないと、
シェパードを安易に繁殖できなくなるかも?(嬉)

シェパードとして、よりよい繁殖を願って、そして何よりもシェパードとの暮らしを健康で楽しいモノとして育まれることを願って・・・・

さて、入手した飼い主側にも責任が重くのしかかります。幼少時の飼育環境で骨格形成に負担が出てくることも充分に理解して注意をして下さい。 入手時に注意事項をしっかり繁殖者から学んでください。

この記事を読まれた方のなかには、IPO犬以外は当てはまらないと、疑問を抱かれることと思います。私の個人的な意見に過ぎません。シェパードとして、よりよい繁殖を願って、そして何よりもシェパードとの暮らしを健康で楽しいモノとして育まれることを願って述べたモノです。それ以外の他意はございません悪しからず。こんなはずではなかった、飼えなくなった、にならないように祈りを込めて・・・・どうしても飼えなくなった場合のことも考えて、何処へでも安心して受け入れて貰えるシェパードに育てたい・・・飼い主としての掟でしょうか?

ジャーマンシェパードとは・・・遺伝性疾患が非常に多い。ノルウェーの調査では22%の股関節形成不全。これに関連して脊椎の異常も多い。慢性の下痢になりやすい。また、問題になるのは遺伝的理由によって情緒不安定な個体が存在すること。予測できない行動、攻撃性、過度の内気などが生ずる。幼犬時から適切なトレーニングを行えば、優れた資質を発揮する。寿命は約12年。

かかりやすい病気・・・てんかん、白内障、肘関節・股関節の形成不全、異常行動、胃腸炎、骨肉腫、すい臓機能不全、進行性後躯麻痺、難聴、アトピー性皮膚炎など。


注釈:TSB評価

TSB評価はその犬の繁殖適合性を、生まれ持った性格、本質で判断するのが目的です。TSB評価は試験の成績や順位には影響を及ぼさない。TSB評価が与えられるには、犬は最低1つの防衛課題(咬捕)を果たさなければならない。

ausgepragt(a) ・・・ハッキリと際だっている
【(注)rの次の小文字aはフォントが無いので記述が違います』】
《大きな作業意欲。ハッキリとした意欲的行動。課題実行のためにひたむきに努力する。自信に満ちた態度。制限のない集中力と、極めて大きな負荷能力がある。》

vorhanden(vh)・・・持ち合わせている
《制限された作業意欲・意欲的行動・自信・集中力と負荷能力。》

nicht genugend(ng)・・・不十分
【(注)uもフォントが無いので記述が違います】
《作業意欲の不足・本能的才能が不十分・自信と負荷能力が欠けている》

T・・・意欲要素
S・・・自信
B・・・負荷能力

〜〜〜↑FCI国際作業試験の手引きより↑〜〜〜


ヨーロッパ(SV)では全試験段階において(上記内容)TSB評価を受けなければなりません。交配において、重要な要素です。

この評価は、防衛訓練競技に出られて初めて評価を受けられるモノです。
(ショーに出る際でも公開試験でシュッツ資格が必要です)

注:シュッツ資格とはJシュッツのことではありません。全く別物です。
IPO(国際作業犬規定)に基づくモノ也


親犬のTSB評価を確かめて、シェパード入手の参考にされるとよいでしょう!
血統書にHDの表記がされている両親を選ぶと良いでしょう!
更に近親交配でないラインを確認しましょう!